1/72 紫電二一型 製作(4)

1/72 AOSHIMA 紫電二一型 N1K2-J/紫電改

褪色を表現した機体の塗装が終わりました
いつものように、基本色(ファレホ 71.007 Olive Green)とホワイトを足して明度を上げたもの、ブラックを足して暗くしたもの、何種類かを重ねて陽にさらされて褪色した機体を仕上げたつもりでしたが、やはり最後の基本色が吹きすぎたようで目立たなくなってしまいました
このへんの加減がいつも難しく、手間をかけて割には効果がでないということを繰り返しています

乾燥待ちの間に主脚を仕上げておきます
今回は下面シルバー塗装なので、主脚柱、カバー全てシルバーとなります
全て同じ色合いのシルバーではないんだろうと思いながらも同じにしてしまいました

主翼前縁に敵味方識別帯をイエローで塗っておきます
デカールを貼るために、塗装図から寸法を測って日の丸の位置を決めます

日の丸の位置を決めた後は、キットの塗装図を基に2本の黄色の帯を貼っていきます

一番厄介な黄帯が決まったので、後は日の丸を貼り付けていきます
細かいステンシルも無く、機体番号を尾翼に貼りつければこれで終了なのですが

全てのデカールを貼り終えたところでどうも違和感があり、手持ちの資料を色々調べてみると、343空 戦闘第301飛行隊の菅野大尉乗機のA-15号機は実機の写真が残っていて、日の丸の上に黄帯を描いているように見えます
エアロディテールを見ると日の丸の左下に被せるように黄帯が描かれているのです
AOSHIMAの塗装図では逆になっていて、黄帯の上に日の丸が描かれています
実機の写真が残っているのに何でこんな間違いが起きているのでしょう

エアロディテールの塗装図を見ても写真と同じです

AOSHIMAの塗装図は何を基に描いたのでしょうね

貼ってしまったデカールの上から何とか修正を試みましたが、厚ぼったい感じになりはみ出しもあり綺麗にはできません

気になって調べてみると、他にも間違っている箇所が色々あります
AOSHIMAの塗装図が間違っていて、エアロディテールの塗装図が正しいという前提で、
・敵味方識別帯の描き方が違う(翼前縁の形状に合わせて細く描いているのが正解)


・フラップ部分上面歩行禁止線(赤)の描き方が違う(縦線の位置が胴体側ではない)


・主翼の日の丸の大きさが若干違う(デカールが少し大きめ)


このように随分目立つ部分に間違いがあり、この状態で修正は不可能、面倒ですが作り直すことにしました
これ以外にも、主翼前縁の上下面の塗り分けも下面側に少し回り込んで塗装するようになっていますが、実機の写真を見るとそうはなっていません
これもエアロディテールの写真を正とすると間違っていることになります

ということで、このまま完成させる気にはならず、面倒ですが同じキットを作り直すことにしました

同じキットなので組み立てるのは簡単です
機体の塗装が間違っているだけなので、コックピット、プロペラ、キャノピーなどは再利用が可能です


AOSHIMAという会社、キット製品化の際に検証をしないのでしょうか、実機の写真も残っている有名な機体でもあり他のメーカーからも製品化されているメジャーな機体の、しかも昨年発売された新しいキットでこんな間違いを社内のチェックで気が付かない物でしょうか
東欧のメーカーなら判らないでもないですが、日本のメーカーが新しく出したキットでこんな間違いが多いなんて信じられません
キットそのものは組み立てやすく好感の持てる良い出来だっただけに残念です




1/72 紫電二一型 製作(3)

1/72 AOSHIMA 紫電二一型 N1K2-J/紫電改

機体の合わせ目を消して、主翼と胴体、水平尾翼と胴体の合わせ目の若干の隙間にはファレホの水性パテで軽く埋めています
全体の汚れを落として、傷など無いか確認しておきます

紫電一一型と同様、モールドが繊細なのでサフは吹きません

下面はシルバーの指定なので、いつものように黒立ち上げとします
ファレホの SURFACE PRIMER 73.660 Gloss Blackを使います

キャノピーのマスキングは、マスキング販売さんの紫電改専用を使います
キットに合わせて販売してくれているので、苦行のマスキング作業から解放されていつも大変助かっています

シルバーの塗装です
指定色はシルバーですが、ファレホの METAL COLOR 77.702 Duraluminium、ジュラルミンを使いました
シルバーやアルミニウムのようにギラツキやザラツキがなく、落ち着いた感じがします

乾燥後、METAL VARNISHをかけておきます

マスキングはいつもの過剰マスキング、吹きこぼれやはみ出しがあると修正が大変なので

上面の塗装前にコックピットもマスキング、今回もキャノピーの合いが良いので塗装後に取り付けることにします

パネルラインプリシェイドを紫電一一型はブラックを使いましたが、今回はファレホの 70.960 Violet を使います




1/72 紫電二一型 製作(2)

1/72 AOSHIMA 紫電二一型 N1K2-J/紫電改

シートベルトは、紫電一一型でも使った「紙創り」の残り1組、ファインモールドからは紫電・強風用に出ていますがちょっとお高いので

紫電と同様コックピットはカゴのような形になります

照準器の取り付け方が独特ですね、今まで見たことがありません
計器パネル前方の隔壁から突き出ている感じ、後から取り付けることはできません

’カゴ’の出来上がり

仮組で機体の中に収めてみると、ありがちな隙間はできません
うまく収まっています

計器パネルも良く見えます

紫電一一型のように主翼の上に乗せる感じではなく、機体の中に取り付けるようになっています

日本のメーカーだけにこだわりを感じます

貼り合わせて水平尾翼も取り付けます
どこかのメーカーと違ってイモ付けではありません

エンジンの組立です
指示通りシルバーで塗装し、ガンメタルで隙間に流し込みます

そのままでは味気ないので、一応AKインタラクティブの Engine Wash を軽くかけてみたりしています

エンジンを取付、カウリングも予め中をブラックで塗っておいて

取り付けるとこんな感じ、カウリングと機体との間に若干の段差が出ています

主翼も取り付けて「士」の字になりました

大きな隙間などは無いのですが、合わせ目につけたボンドが若干多かったようで、若干のヒケと窪みがでています
パテで埋めて削っています

機体下面、主翼との合わせ目に若干の隙間がありますが、ここは図面でもパネルラインになっているので完全に埋めることはせず、いつものファレホの水性パテで埋めておく程度にします




1/72 紫電二一型 製作(1)

1/72 AOSHIMA 紫電二一型 N1K2-J/紫電改

紫電一一型に続いて、紫電二一型( 紫電改 )を作ります
キットは同じアオシマ製、箱の大きさも同じです
紫電となっていますが、低翼型の紫電改です

不要(不使用)パーツが若干あります
興味深いのは、着艦フックのようなパーツが付いていることです
試作段階で終わった艦載機型の紫電四一型がいずれ出るんでしょうか

キャノピーはなぜか2種類ついています
使うのは写真右端の「E」パーツのみ

このキットは、垂直尾翼の面積の大きい前期型です

紫電と同様、カラー塗装図が付属しています
デカールは5種類、試作1号機が選択できます、組立の説明では特に違いが無いようですが、まるっきり同じなんでしょうか

塗装図で早くも間違いが、
343空戦闘第301飛行隊、菅野隊長機(A-15)の機体後部塗り分けが塗装図と組立説明書で違っています
色々な資料を見ても、正しくはカラー塗装図、水平尾翼の前縁より真っすぐ下に濃緑色の塗り分けが下りているほうです(写真が残っていますからね)
この程度のことが製品化の段階でチェックされないのでしょうか、アオシマってその程度の会社?と思ってしまいます

シートベルトは紫電一一型ののこり、紙創りの日本海軍機用です
キャノピーのマスキングシートはいつものマスキング販売さんのもの、4機分ついているように見えますが、「E」パーツの閉状態は一番上の物だけです
他の3パターンは、微妙に違うようで今回使えません

主翼と胴体の貼り合わせの前に摺り合わせ、特に主翼の後縁部分は極力薄くなるよう削っています

仮組してみると、歪みや隙間は殆どありません
気持ちいいくらいパチピタ

パネルラインのモールドも浅すぎず多少削っても消えません
カウリングの上下にパーティングラインが入っていますが、これは削ってしまえば取れそうです




1/72 紫電一一型甲・乙 (8) 完成

1/72 AOSHIMA 紫電一一型甲 N1K1-Ja/紫電一一型乙 N1K1-Jb

最後につや消しクリアーでコートして、乾燥後、マスキングテープを剥がして完成です

川西 紫電一一型甲 第341海軍航空隊 戦闘第402飛行隊所属機

続いて紫電一一型乙 矢田部海軍航空隊所属機


1/72 紫電一一型甲・乙 製作(7)

1/72 AOSHIMA 紫電一一型甲 N1K1-Ja/紫電一一型乙 N1K1-Jb

デカールの乾燥後、全体に光沢クリアーでコート
表面をツルツル状態にしてスミ入れとウェザリングです
スミ入れは、上面の濃緑色部分にタミヤスミ入れ塗料のダークブラウン、下面のシルバーと明灰白色部分にはタミヤスミ入れ塗料のグレイを使いました

ウェザリングは、全体にファレホの69.505 Light Rust Wash と 73.200 Sepia Shade を混ぜて水で薄めたものを筆で塗りたくってみました
全体的に煤けたような埃っぽいような感じになるようやってみたのですが、黄ばんだ感じになってしまいました

ファレホのWASHは、水性なので水で薄めると下地の塗装を溶かすことなく上塗りができます

乙型のみ主翼上面と胴体側面のパネルの継ぎ目にシルバーでハゲチョロを書き込んだのですが、中途半端に目立つことになってしまい、慌てて油彩を使ってウェザリングしながら隠してみました

主脚と車輪カバーを取り付け

アンテナ支柱は最初から胴体パーツに付いているもので、折れないよう気を付けていましたが、だんだんと曲がってきて折れそうになったので真鍮線で作り直すことに

0.8mmの真鍮線を先端削って作ります

折れそうな支柱を切り取り、0.9mmの穴を開け、長めに切った真鍮線を胴体の底まで届くように差し込んで固定、これで簡単には折れたりグラついたりしません

アンテナ線を張ります

支柱から垂直尾翼までと、支柱の根本から引き出す線の2本ずつ
資料を見ると、支柱の根本付近から直接出ているようですが、細工が難しいので支柱直後の胴体から引き出すことにしました

瞬間接着剤で固定後、余った線を切り取り、支柱にメタルプライマーと濃緑色で塗っておきます

アンテナ線には、1/72の場合 ファインリギング 0.082mmを使います


1/72 紫電一一型甲・乙 製作(6)

1/72 AOSHIMA 紫電一一型甲 N1K1-Ja/紫電一一型乙 N1K1-Jb

デカールを貼っていきます
一一型甲は、第341海軍航空隊 戦闘第402飛行隊です

日本機はステンシル等無いものがほとんど、主翼のフラップ上部の「フムナ」ぐらいしかないので簡単に貼り終わります

一一型乙は、矢田部海軍航空隊所属機

寂しいくらいさっぱりしています
乾燥後、光沢クリアーでコートして墨入れを行います

他の小物も仕上げてしまいます
プロペラ、増槽、キャノピー(最後に取り付けます)、主脚とカバー、照準器
下の写真、左側が一一型甲、右側が一一型乙

アオシマのデカールは若干硬いようで、主翼上面の突起に日の丸がかかってしまっています
マークフィット ハードタイプではなかなかフィットせず、スーパーハードタイプの出番となりました

フラップ部分の注意書きは、甲「踏ムナ」、乙「フムナ」としました
貼る時に糊が流れてしまって、若干ですが浮き上がっています

機内色は、もう少し緑が強い色でも良かったかもしれません
ちょっと日本機らしからぬ明るさになってます

計器パネルは付属のデカールを使えばよかったと思ってももう遅い

整備作業用の台座と足場は、甲乙共同じものが付いています
指定色のサンディイエローを下地ブラックの上に陰影付けるようにわざとムラになるようエアブラシで軽く仕上げています

機体はこんな風に載せるようです

もう少し汚してもいいかもしれません


1/72 紫電一一型甲・乙 製作(5)

1/72 AOSHIMA 紫電一一型甲 N1K1-Ja/紫電一一型乙 N1K1-Jb

機体上面の塗装です
パネルラインプリシェイドをブラックで入れます
上面の塗装は濃緑色なので少々濃い目にしておきます

褪色表現とするため、ホワイトで明度を上げた濃緑色をパネル中央にエアブラシで軽くふいていきます
乙はより明度を上げて強調しておきます
濃緑色はファレホの 71.007 Olive Green を使います

ブラックのパネルラインを残しつつ、全体に濃緑色を調子を見ながら厚塗りにならないように何回かに分けて吹いていきます

わずかに透けて見える程度に、というつもりがほとんど見えなくなってしまいました

乾燥後マスキングテープを剥がして、塗り残しやはみ出しをリタッチします

乾燥待ちの間に、細かいパーツを仕上げてしまいます
主翼前縁の黄色の敵味方識別帯もこのタイミングで塗っておきます

プロペラの塗装は、VICカラーのCA048 茶色(プロペラ) です


1/72 紫電一一型甲・乙 製作(4)

1/72 AOSHIMA 紫電一一型甲 N1K1-Ja/紫電一一型乙 N1K1-Jb

機体の組立が終わり、塗装を始めます
甲は、下面シルバー塗装にしました
説明書ではシルバーもしくは明灰白色ということになっています
ファレホのメタルカラー「ジュラルミン」を使います

同じメタルカラーの「アルミニウム」よりザラツキがなく、エアブラシで薄めに吹いただけですがこれで充分でしょう

乙は明灰白色としました
ファレホの71.046 Pale Blue Greyです
予めブラックでパネルラインプリシェイドを入れてあります

乾燥後、下面のマスキング
乙から
翼端の丸い部分はマスキングテープを丸く切り出してカーブに合わせます

中翼構造のため主翼下面から胴体下部のラインが独特です
水平尾翼の下部も逆三角形のような塗り分けになっています
細切りのマスキングテープでこの微妙なラインを出していきます

いつものように過剰マスキング、塗装終了までこのままです

続いて甲、シルバー塗装なので乾燥に若干時間をかけます
水平尾翼下部の塗り分けが乙とは若干違うパターンを選択しました

下面全体のマスキング

1/72 紫電一一型甲・乙 製作(3)

1/72 AOSHIMA 紫電一一型甲 N1K1-Ja/紫電一一型乙 N1K1-Jb

主翼を貼り合わせ、尾翼を固定し再度仮組してみます

翼下の機銃と水平尾翼の形状が違うだけで判りにくいので、甲乙わかるようにマスキングテープで貼り付けておきます

コックピットは機体内部に取り付ける、というよりは主翼の上に乗せて固定するイメージです

エンジンを取り付けます
黒鉄色の指定でしたが、シルバーで塗ってブラックで墨入れしています
カウリングは同じ形状かと思いきや、甲乙で微妙に機銃口の位置が違うのです